家庭で飼われている犬は、肉の他、与えられればほぼなんでも口にしてしまい、
ある程度穀類などの植物性の食物も消化できますが、中には与えると健康に害になる食物もありますので注意が必要です。
本能的に、体に害のあるものは避ける傾向にはありますが、
飼い犬ですと、主人からもらえたごはん、という事実がうれしいと、つい警戒心の方は薄くなりがちで、
摂取してはダメなものもつい食べてしまいがちです。
これらの食べ物は、あげてしまわないように飼い主が警戒するとともに、
道端に落ちていて拾い食いしてしまったりしたら、重大な健康被害が出てしまうことがありますので、
すぐに動物病院に連れて行き、対処してもらいましょう。
身近にあるもので、犬に与えてはいけないものを、
その影響とともにご紹介。
チョコレート類に含まれるテオブロミンという成分によって中毒を起こすためである。
体重10kgのイヌが約100g食べた場合でも発症のおそれがある。
2009年度では、215件の中毒事例が報告されている。ネコも同様の理由で悪影響を受ける。
直接チョコレートを積極的に食べる犬はほぼいませんが、料理に使っていて、その残りをあげる時などには注意しましょう。
ネギ、タマネギ、にんにく、ニラなど。
野菜の中で、ネギの仲間全般が注意。
ネギ類に含まれる成分(アリルプロピルジスルファイドなど)がイヌの赤血球を溶かし、貧血を起こすためである(俗にタマネギ中毒と呼ばれる現象)。
ネコも同様である。
生き物の骨といえば、わんちゃんの好物のイメージですが、
鶏の骨は噛み砕いた際にササクレ状に割れるため、飲み込んで消化管穿孔の原因になることがあるため、生の鶏を与える際は飼い主が注意深く観察することは大事。
他の哺乳類と同様に、生育にしたがい、腸内のラクターゼが失われて授乳に含まれる乳糖の分解が困難になり、下痢などを発症する乳糖不耐症を指す。
これは犬に限らず健康な哺乳類全般で見られる。
好物で飲みたがるコには、ペットショップなどにある、乳糖を除いて売っている、犬用ミルクを与えると安心。
幼犬で発症する場合は不耐ではなく個体ごとのアレルギーを疑うべきである。
インスリンの過剰分泌による低血糖や肝障害を引き起こす。人とは異なり犬に対しては、キシリトールはインスリンを分泌させる力が強いため、血糖を異常に低下させてしまう。血糖低下による、意識低下、脱力、昏睡、けいれん、肝障害が起こる可能性がある。
キシリトールを0.1g/kg以上(体重10kgの犬で1g)摂取してしまった場合には要治療であるとの報告がある。
埼玉県獣医師会では、犬にキシリトールを食べさせないように、中毒を起こした場合はすぐに獣医師の診察を受けるよう注意を呼び掛けている。
厚生労働省の資料によると104週間の高濃度投与で肝臓への影響が確認できるが、単回投与における毒性は極めて低いとされる。
果肉や皮に毒素が含まれており、下痢や嘔吐を起こす危険性がある。
種を誤食する恐れもあるので、イヌの届く場所に置かない。
結石症のリスクを高めるシュウ酸を多く含み、与えない方がいい。
味付けメンマは塩分も高く、与えない方がいい。
腎尿細管壊死を起こす可能性がある。
野生動物であれば自身の健康を害する可能性がある食べ物などは本能的に避ける傾向がありますが、
飼い犬であれば、飼い主から与えられた食物は喜んで食べてしまう傾向があり、
またハンバーグ中の玉ねぎのように、細かく少量に、しかも他の風味が強く出るものは気づきにくく、
普通に口にしてしまうので、うっかり食べさせてしまわないように飼い主の注意が必要です。